【ご相談内容】
従業員が仕事中に事故を起こしました。破損した車両など、会社は従業員に損害賠償できますか?
【弊所からのご回答】
従業員の過失の程度や会社による予防といった対策等を考慮して判断されます。よって、故意でなければ全額は難しいと思われます。
<損害賠償額の程度>
民法第709条では、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」とされています。
ただし、最高裁では、使用者に対し「損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において、労働者に対し、右損害の賠償を請求することができるにとどまる」とされているます。
そのため、会社が事前にやれることをやって事故防止に努めていたかとう点が賠償額の程度に影響すると思われます。
<危険責任と報償責任>
使用者には危険責任と報償責任があり、どれだけ事前対策を講じていても、報償責任は残るため、全額の賠償を求めることはできないと解されます。